作品紹介
「仕事も人間関係もうまくいく 放っておく力」
枡野俊明
作者はお寺の住職をされている方。
禅の心とか言葉も交えて書かれています。
右ページにタイトル、左ページに話と、見開きで一つの話が完結するようになっています。
パッと開いてどこから読んでもいいようになってて読みやすい。
放っておく力っていうのは、要するにスルー力の事ですね。
今の時代はSNSで絶えず人と関わってる。
友達同士で監視し合うように四六時中やり取りしたり、面識の無い人の意見に振り回されたり。
仕事でも周囲の評価を気にし過ぎたり、誰かの顔色を伺ったり。
過去の後悔や未来への不安を、無駄に心配し過ぎたり。
そんなこんなを上手に放っておけたら、生きやすくなるというお話。
日々是好日
禅の言葉がちょこちょこ登場する。
私が好きな言葉で、「日々是好日」という言葉がある。
これも禅語だって知らなかった。
そしてこの日々是好日の本当の意味もわかってなかった。
禅では、物事には善も悪もないと考えるそうです。
いま、このときにしかない経験をさせていただいている。
『放っておく力』より引用
その経験自体には、いいも悪いもない。
今後の行動・努力しだいで、なんだってプラスになる。
という考え方なんだそう。
何が起きても、全ての経験がその後の成長の糧になる。
辛い日も苦しい日も、それは貴重な「経験」。
貴重な経験をしてるのだから、そんな日も好日と考える。
このことを、日々是好日と言うそうです。
毎日をいい日だと思って生きましょうって意味だと思ってた。
ちょっと違った、もっと良い意味だった。
この言葉が好きでブログタイトルに付けようとしたんだけど、もう使ってる方が沢山おられました。
好きな方、多いのかもしれませんね(^^)
不満なところ2カ所
全部読んでみて、ちょっと納得いかなかった章が2つほどありました。
苦手なことをするのは傲慢？
得意な事をして、社会に貢献しましょうっていうのはその通りだと思う。
だけど、出来もしない事や苦手な事を無理してやるのは身のほど知らず、なんだそう。
傲慢とか、自分らしく無いとか書かれてます。
そうなんだろうか。。
仕事でも苦手な職種をあえて選ぶ必要はもちろん無いけど、それは仕事を選ぶ余裕があるから言えることじゃないのかな。
余裕が無ければ、苦手だろうが無理かもしれなかろうが、生きるためにやらないといけないこともある。
身のほど知らずとか傲慢っていうのはちょっと違うような気がする。
たとえ好きな職種に就いたとしても、得意な事ばかりじゃ無い。
苦手な作業もあるし、多少の無理をすることは誰だってあると思う。
前の会社で、簡単なんだけどどうしても苦手で苦痛な作業があって、その事をある人に相談したことがありました。
その人のアドバイスは、「税金と思えばいいねん。」
なるほど！！妙に納得できて、少し苦痛感が減った。
その人のアドバイスの方が、私にはしっくり来ました。
今の世の中が、みんながみんな得意なことだけで生きていけるようになってるとは思えない。
そうできれば理想だし目指したいところですが…
この辺り、私の解釈が間違ってるのかどうなのか。
そんな風な考え方だから体を壊したのかな。。
稼ぐのは、後世や人のため
もうひとつは、死ぬ時はお金は持っていけない。
自分だけのために稼ぐのは虚しい。
後世のため人のために稼ぎましょう。
それは間違ってないと思うけど、これも余裕があるから言える事だよねっていう気持ちが頭をもたげた。
働かないといけないのに、今はまだしっかり働けない人はどうなの？
そういう人は例外で、自分のことはクリアしてる前提なのか…
お金が無くても、人のため後世のために稼ぎなさいってことなのか…
老後資金や住むところに多大な不安があると、人のためよりもまず自分がどうしていくのかで頭がいっぱいだ。
人のために稼げたらそりゃいいだろうけど、自分をクリアしてないとそんな余裕ない。
自分の面倒を自分で見ないことには、人に迷惑をかけてしまうんだから…
この住職さんは余裕があるからそんな事が言えるんじゃ無いの？って、心の狭い、器の小さい私は思ったのです。
放っておく力が足りないんだろうな。。
まだまだ私は修行も足りないし、経験も足りない。
すごく心に響いたところもあれば、今の自分には納得いかないところもあった本でした。
また時間が経って読んだら、自分の感じ方も変わるかもしれない。
書店ではオススメだったか人気だったか忘れましたが、No.１のところに置いてありました。
ご興味のある方は、読んでみて下さい(^^)
小さなことにこだわらず、今までの経験を糧にして成長していけばいいんだよね。
日々是好日、無駄な経験は一つもない！
応援ありがとうございます！
